会社員の間は開業届を出さない方が良い
本業が会社員である間は、副業のために開業届を出すべきではない。
会社員の場合は「年末調整で申告した所得とは別に、副業などによる雑所得が20円以下の場合のみ確定申告が不要」という特例があるため。
年金所得が年間400万円以下の場合も同様に雑所得が20万円以下であれば確定申告は不要。
雑所得が20万円以下であれば、副業の間は開業届は出さなくて良いでしょう。
20万円以下の所得は事業ではなく雑所得扱いです。
また収入ではなく所得での申告です。所得=収入ー経費 ですので、収入が20万円を超えたからと言って確定申告が必要となるわけではありません。
失業給付金を受けている最中は開業届を出さない方が良い
開業届を出すことで、失業給付金の発給停止になります。
前職を退職して、失業給付金を得ている間は開業届を出さない方が良さそうです。
本格的に事業を開始するとなれば別ですが、確定申告が必要になる雑所得20万円までは開業しなくても良いのではないかと思います。
大規模な事業を行う場合は青色申告での各種控除を受けられますので、最初から開業届を出した方がお得です。
事業規模で判断しましょう。
扶養と現在加入の健康保険にも注意が必要
開業届を出すレベルの事業の場合、配偶者の扶養(103万円)から外れる場合があります。
健康保険も配偶者の扶養で入っている場合は、開業時点で健康保険利用の権利喪失となる場合もありますので、現在利用の保険についても調べておいた方が良いです。
開業後は国民健康保険に入るか、前職の健康保険への任意加入(最大2年)か扶養者の健康保険しか選択肢がないので現在の健康保険の加入権利については調べておいた方が良いです。
定年後(65歳)以降の場合も、前職の健康保険組合に入るケースが多いので、開業で権利を喪失しないか確認が必要です。
権利を喪失した場合は、国民健康保険に加入する選択肢が主になります。
ただし後期高齢者(75歳)になった場合は、後期高齢者保健への加入となりますので、開業による影響はないと言えます。
開業届を出しても老齢年金は基礎年金以外も受給可能
65歳以降も給与所得があると老齢基礎年金しか満額支給されませんが、開業届を出して事業主になった場合には、老齢年金は基礎年金以外も満額受給できます。
開業届を出すのは老齢年金を受給する年齢になってからの方が良さそうです。
まどろっこしい書き方をしているのは、老齢年金の受給年齢が65歳から引き上げられる可能性があるためです。
まとめ
会社員である間は開業届を出さない。
失業給付金を受給中は開業届を出さない。
開業届を出すのは少なくとも老齢年金の受給が始まるころ。ただし所得が20万円を超えてから。
開業によって、配偶者の扶養から外れる場合がある。
開業届を老齢年金受給まで待つのであればあまり影響はないが、健康保険を継続できるか確認すべき。継続できない場合は国民健康保険に加入が必要。
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